うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

故人と個人のこと

先輩の訃報を聞いた。その人とは年齢が近く、いちばん記憶しているのは、電車で一緒に帰った時に話したときの雰囲気。ふわっとやさしい話しかたをする人で、抱えているものは熱く、特に30代終盤から強い行動の選択をされていたように思う。 わたしがその人と…

ヒヤシンス二番花ものがたりと、初夏に球根を土から空気中に戻した話

だいぶ前に、水耕栽培したヒヤシンスが着水100日目にピークを迎えた話を書きました。その後、3つのヒヤシンスのうちのサモハン(と名付けたもの)が二番花なるものを咲かせました。 大きなのが咲いた後に、根元にもう一回咲きそうな蕾が出てきました。サモ…

その極端な自虐は、なんで?(島崎藤村「破戒」読書会での会話から)

先月、島崎藤村の『破戒』で読書会をしたところ、半数くらいの人が主人公の自己開示のしかたについて意見をお持ちでした。 『破戒』は7月に映画が公開されます。今日は終盤の展開について触れていますので、これから本を読んだり映画を観たりしようと思って…

思考の整理学  外山滋比古 著

大きな古本屋ならだいたいどこでもあるメジャーなこの本を、やっと読みました。電車に乗る機会が減ってから、こういう細切れで読みやすいエッセイを読まなくなっていました。移動中って、読書ができていいんですよね。 内容は記憶と思考について経験から編み…

全員悪人  村井理子 著

正直に言う。「シニアヨガ」という言葉に、漠然とひっかりを感じてきた。「中年ヨガ」と言われて、自分がそこへ行きたいとは思わないから。その延長で、「シニアヨガ」という文字列に対しても同じことを思う。 そういう思いのあれこれをぎゅっと10倍濃くした…

捉えられない「大衆的」を知る本のこと

ここ数ヶ月の間に二人のかたから似たようなことを言われたので、今日は読む本のチョイスについて書きます。 「なんで○○○(←具体的な出版社名)の本も読むのだろうと思って」「ああいう本を読むのが意外だった」と、それぞれ別の人から言われたのですが、そこ…

将来の日本 徳富蘇峰 著

明治19年(1886年)のベストセラー本を読みました。一ヶ月くらいかけて、夜にお風呂でちまちま読み続けました。さっぱりわからないまま無理やり読み続けて、少しずつ文体に慣れていきました。昔の文語体を無理やり読んで、読書の醍醐味を久しぶりに味わいま…

これだけやってくれるなら、そんなことは気にならないよ

毎年6月になると、アクセスが増える記事があります。なにかを決断する際に、ネガティブな情報が少しでもあると「それを選ばない理由」にしてしまう、そういう人に見つけられるみたい。 昨年の5月に書いた日記がここ数週間、よく読まれています。 元は、2009…

ある男  平野啓一郎 著

戸籍ロンダリングを紐解いていく人探しの話で、先が知りたいからどんどん読み進むのだけど、盛り込まれた社会問題の要素が幅広く、ときどき気になるテーマが降ってきます。 「過去も含めてその人を愛せるか」「何度でも愛し直すチューニングを続けるには」と…

のうだま1・2 上大岡トメ&池谷裕二

『老いる自分をゆるしてあげる。』の上大岡トメさんのイラスト解説がものすごくわかりやすくて良かったので、続けて『のうだま 1 やる気の秘密』『のうだま2 記憶力が年齢とともに衰えるなんてウソ!』を読みました。 1に書かれていたことは自分でも実感済…

老いる自分をゆるしてあげる。 上大岡トメ 著

なにかのウェブメディアで見た、すらりとした著者が楽しそうにバレエのポーズをされている写真が素敵で、この本を読みました。 読んでみたら体内の仕組みの説明の絵がすごくわかりやすくて、知らなかったことはないのに、「いまの自分」でゼロ・リセットして…

小夜啼鳥/もみの木 ハンス・クリスティアン・アンデルセン著 楠山正雄(訳)

まさかのアンデルセン・ブームがわたしのなかにやって来て、寝る前にお風呂で読んでは涙しております。 小夜啼鳥(さよなきどり) 中国が舞台の話。子供向けなのだけど、大人が読むとしみます。 個人的な大きな傷ではなく、社会経験のなかでこなしてきた、小…

八景天祖神社、大森山王日枝神社、成田山・圓能寺(JR大森駅前)

住んでいる人にとってはいつもの大森駅かもしれないけれど、わたしにとっては観光地の大森。西口に出ていきなり気になる案内がある大森駅。 じゃん。気になる。文士のパリピの街。 駅前の八景天祖神社 目の前に神社があるのですが、その前に気になるサージェ…

大森駅で大人の活気を感じた(東京都大田区)

今年はすでに二度も大森駅で降りています。両隣の大井町駅・蒲田駅は何度か降りたことがあったけれど、その中間の大森駅は初めて。大森といえば貝塚。駅から数分歩くと大森貝墟の碑があります。 この横から線路沿いへ降りていきます。 ビルの通路のような感…

万人ウケしないヨガを愛好している

今日のタイトルは係り受けをどう読むか、個人差が出るところだと思います。いかにも釣りタイトルですよね。 わたしがやっているのは 万人ウケしないヨガで・・・ とわたしが言ったとして、その意図をどう推測しますか?

更年期=思考停止期間ってわけじゃないのでね

これまでよりも直接的な書きかたをしたほうがいいのかな。と思うことがありまして、今日は直球のタイトルで書きます。このブログで更年期について書くことについて、今日はわたしの考えをおしゃべりのように書きます。 先月、久しぶりに関西でヨガクラスをし…

小説『本心』を読んで考えた、唯物論的スピリチュアルのこと

先日、『本心』という小説を読んだ感想を書きました。 さまざまな社会テーマが含まれる長い小説だったので、思ったことを全部書くと止まらない感じでした。人によって、気になるところが全然違うのだろうなと思うくらい、要素の多い物語。 その中でも、わた…

記憶する体  伊藤亜紗 著

ヨガで身体を動かす練習を続けていくうちにわかることに、「混乱そのものを理解する」というのがあります。ヨーガの教典を読むと「知覚」と「記憶」への言及が多く、それが苦しみの原因であることがわかります。 練習中に意識が散漫になっているときは記憶が…

なつかしかった神戸

先月、久しぶりに神戸へ行ってきました。これまで毎年行けるのが当たり前のように感じていたのに、コロナで行けなくなってからは、自分のなかでどんどん存在が遠くなっていました。 神戸ではその乖離したマインドを土地に馴染ませるために、なつかしい道をひ…

観察力の鍛え方 一流のクリエイターは世界をどう見ているのか 佐渡島庸平 著

「COTEN RADIO」に著者がゲストで登場されていて、そのときのお話が興味深く、この本を読みました。前半はわりとよくある自己啓発本のような印象で読んでいたのですが、後半からぐっと引き込まれる展開になって、クリシュナムルティの言葉が引用されていまし…

心をざわつかせるものに関わりたくない気持ちを表明する権利(島崎藤村「破戒」読書会での会話から)

先日、島崎藤村の『破戒』を題材にオンラインで読書会を行ったら、これはオンライン開催のメリットだなと思うことがありました。それは、関西と関東の温度差です。関西で育った人が半数以上を占める状況で、それ以外の地域で育った人が聞かせてもらう同和教…

絵のない絵本 アンデルセン著/矢崎源九郎 (翻訳)

古本屋で装丁イラストに惹かれ、立ち読みをしたら「月が話をする」という設定の出だしがとてもおもしろく、続きを読みたくなって買いました。とても薄い本で、ポンとその辺に置いておきやすく、いまもちょこちょこ開いています。この本のページを開くと、な…

八代市街地をママチャリで走った(熊本県八代市)

はじめて熊本県八代市(やつしろ)へ行きました。熊本県人吉市の少し北にあります。やっと九州の主要な市の位置関係が半分くらいわかってきました。かつてお城のあった八代市街地をママチャリで走ってきました。 ここは八代城跡の舟巡りのあたり。 陸にガチ…

塩屋八幡宮 アーケードの先のパッと明るい神社(熊本県八代市) 

GWに熊本県八代市をうろついてきました。 泊まったホテルで借りた自転車に乗って商店街を抜け、気分がいいのでそのまま走り続けたらパッと明るい神社にたどり着きました。 木がいい! 「あ」かるい! 「うん」おもしろい! 子供がしがみついてる! 明るいよ…

松濱軒(しょうひんけん)旧 八代城主 松井家御茶屋 (熊本県八代市) 

先月のことですが、熊本県八代市に泊まってきました。GW中に宮崎県から車で熊本県玉名市まで移動するのに、前日に宿を探して泊まれるのがこの街で。なりゆきだったのですが、行ってみたらすてきな城下町でした。八代市と書いて「やつしろし」です。八代亜紀…

本心 平野啓一郎 著

読みながら、ここ数年で起こった、こんな時代?! と思う具体的な件がいくつか思い浮かびました。AIでよみがえった美空ひばり、恋愛リアリティー・ショーで起こる問題、メンタリストの発言、投げ銭という収益源など。 この物語は格差社会と人権・尊厳の問題が…

Spotifyの「化け物RADIO」がおもしろすぎる

今週末はとんでもないものを見つけてしまって、ずっと口角が上がっておりました。Spotifyの「化け物RADIO」。毎週有名な化け物がゲストに登場するのですが、直近のゲスト・メデューサさんのお話に爆笑してしまい、さかのぼっていろいろ聴いています。 座敷童…

小説のなかですら葛藤している他人を待てないマインドのこと(島崎藤村「破戒」読書会での会話から)

先日、島崎藤村の『破戒』を題材に読書会をしたら、この物語を読んでいる最中に起こったイライラについて自己の振り返りをされているかたがいました。 読書会をすると、ディスカッションタイムでの発言以外にも、誰かの言葉が印象に残ることがあります。 じ…

(再読)ヨガによる 病気をなおす知恵 沖正弘 著

パンデミックを機に生活スタイルが大幅に変わり、年齢的に代謝やホルモンバランスに変化が出てくるなか、ここ一年ほどこの本を手元に置いて、日々の観察をポストイットにメモして張りながら読んでいました。 この本を入手して最初に読んだのは2011年なので、…

兄の終い 村井理子 著

警察から連絡が来た時に、一瞬で頭がなにかのスイッチを切ろうとする感じというのは、慣れたりするものだろうか。内容的には重いノンフィクションなのだけど、しんどくなく読めた。この本を教えてくれた友人の語り口がさらっとしていたからというのもある。 …