うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧

歎異抄 梅原猛 校注・現代語訳(各条部)

まえに「解説部」の感想を先に書いた、梅原先生バージョンの歎異抄。 この本はものすごく行き届いた構成なのだけど、「こころ」というところに梅原氏の「俺はこの条をこう読んだね」というアツい想いが記されていて、そこが読みどころ。 「空海の思想につい…

解剖学的女性論 渡辺淳一 著

昭和52年の本です。今じゃ出せないと思う。ベースは女体論なのだけど、比較で男体も出てくる。 かなり踏み込んだ内容にそこから発生する心のはたらきまでみっちりと書かれています。情報化社会になればなるほど書かれところに切り込んでいる。 わたしはあま…

佐藤可士和の超整理術

仕事仲間から借りました。5年前の本です。 いちばんの読みどころは、ユニクロをはじめとするファーストリテイリングのアートディレクションのエピソード。なかでもUTはわたしも好きなお店なので、ぐいぐい引き込まれました。柳井社長との問答プロセスがもっ…

石動神社(いするぎじんじゃ・新潟県三条市)

「本成寺」のあとに、同じく石川雲蝶の作品が観られるという石動神社へ行って来ました。 ここは民家集落のなかにあり、場所がわかりにくいです。土地勘のない人はこちらの三条市の案内ページにある情報を参考にするとたどり着けます(手元で Google Map を何…

本成寺(法華宗陣門流総本山・新潟県三条市)

三条市の「本成寺」へ行ってきました。最近観た映画「この空の花 長岡花火物語」の最後のクレジットにこのお寺の名前があったのだけど、まったくノーマークだったので気づかなかった。花さんがここで一輪車に乗るシーンがあったって。 本成寺は日蓮が佐渡島…

バンダ症候群に気づいた人体力学ワークショップ

井本整体のこの本のセミナーに参加してきました。 22ページの「弱った呼吸器をゆるめる体操」と92ページの「背骨の弱った部分に活力を与える体操」を、指導を受けながらやってみました。 前者の「胸郭と腕の連携」はヨガの動きの中でも意識できるのだけど、…

歎異抄 梅原猛 校注・現代語訳(解説部)

今年に入ってから何度か歎異抄について書いていますが、この本は「解説部」と「各条」に分けて紹介しようと思います。過去に岩波版を紹介しているので、梅原版はあえて解説を先に。 この本は以下の要素でかなり立体的に徹底的に作られたフルコース。こんな本…

禅宗問答「祖師西来意」(東洋的な見方 / 鈴木大拙 より)

鈴木大拙氏の本の内容とヨガと関連づけて、こんなことを感じています。 ヨガというのは、人によって向き合い方や取り組み方がいろいろあると思うのですが、ともあれやることは修練なので、「いいからやれ」なところがある。ヨガから禅へ向かう日本人の気持ち…

ふくらはぎを揉んで、潜在意識を解きほぐす

これは経験から学んだ感じです。 疲労にもいろいろ種類がありますが、わたしの場合、状態がよくないときに「無駄なことをしている」ような気になってしまうことがあります。それはわたしが潜在的に、好きではないことを「無駄」と定義したい、そういう性質を…

この空の花 ― 長岡花火物語(映画)

大林宣彦監督の長岡花火を題材とした映画、ということで観てきました。 ドキュメンタリー要素が濃いのだけど、味付けは時をかけそうなイリュージョン風味。将来子供たちが授業で見る映像にしても、映画作品としても、長すぎやしないかというのが素直な感想で…

新編 東洋的な見方 鈴木大拙 著(後半)

読み進めるほどにドキドキする、後半になるほどナマナマしい。そんな構成の本です。(前半の感想はこちら) 真宗の教えの紹介もおもしろいし、60年代ヒッピー周辺の自由思想ムードへの指摘も鮮やか。戦争についての東洋人と西洋人の考え方の分解・言い切りっ…

烏柄杓と稚児百合

今の季節は都会の公園でもいつものとはちょっと違う草花が咲いている。 野山を歩くと楽しい草花に出会うのだけど、とりわけ人っぽいものに目を奪われる。 いろいろな角度から、舐めるように見てしまう。 これは、烏柄杓(カラスビシャク)というのだそうで、…

ゴダイゴのバンド名の由来が仏教すぎる

鈴木大拙氏の英文を読んでいたら後醍醐天皇「Godaigo」という綴りが何度か出てきて、ゴダイゴを思い出した。 あらためてWikipediaを読んでみたら、おもいっきり由来が後醍醐天皇だった。 (ミッキー)吉野→吉野朝廷→後醍醐天皇 綴りのアレンジは「GO DIE GO…

内田樹(うちだたつる・TATSURU UCHIDA)

わたしの身近な人にはこの人の本を読んでいるという男性がいなくて、女性ばかり。 武術(合気道)が背景にあるので、ヨギのみなさんは文章の中で使われる表現に共感するものが多いと思う。いっぽうで、この「頭の中にあるものが少し補正されてどんどん出てく…

新編 東洋的な見方 鈴木大拙 著(前半)

友人が貸してくれました。鈴木大拙氏の90歳前後のエッセイをまとめたもの。 もしわたしが親の世代に生まれて、当時新聞に載せられたこの内容をリアルタイムで読んでいたとして、この指摘を理解できただろうか。いま60代後半以上の人たちが人が当時これを読ん…

中村天風(なかむらてんぷう・TENPU NAKAMURA)

中村天風さんは有名さの方向があんまりヨガっぽくない。どちらかというと経営者に人気の「成功哲学」の人。そこがおもしろい。 船の中で出会ったインド人(カリアッパ師)についていったらなりゆきでヨギになっちゃった人なのですが、帰国してからの教えの流…

「シャンティ」への違和感(「禅と日本文化」より)

「禅と日本文化」の「禅と茶道」の章から、今日はヨガにまつわる部分を抜き出して紹介します。 日々ヨガを自分なりに体験も含めて学んでいるのだけど、いろいろなところで違和感のような、感覚ギャップのようなものを感じることがあります。 一時期インドの…

今に生きる親鸞 吉本隆明 著

本文の下に用語の解説がついていて、仏教の入門本としてもすばらしい。 やわらかくわかりやすい文章だけど、「ここがすごいんです親鸞」という言い切りの要素は吉本氏の「現代社会」のフィルタをしっかり通されている。何度も印象に残った箇所をまためくって…

徒然な感じで最近思うこと、10トピック

いつもいく本屋になんとなく立ち寄って、いつもは決まった棚を巡回して帰ってくるのだけど、時間があったので入り口の「平積み」のところを全部見てみた。 そうしたら、みんな「いま実際にいる人の生きるうえでの心意気」とか「同時代の葛藤」のような情報を…

見えるものと観えないもの ― 横尾忠則対話録

1992年の本です。20年前。対談に登場する「よしもとばなな」さんはまだ「吉本ばなな」で、キッチンとTSUGUMIが出たあと、アムリタ以前というタイミング。大学生のころ、雑誌「STUDIO VOICE」で横尾忠則氏の精神世界コメントに触れてはいたけれど、当時この本…

三点倒立は、物理的には難しくない

今日は子供の日。子供だと一緒にやりながら、「バランスよ、バランス。そう、いいぞ! その調子」であっさりできてしまうことも多い三点倒立なのですが、大人になるとなかなかそうもいかないもんです。 「やる」の意識のグラデーションが複雑になってきます…

「有名人になる」ということ 勝間和代 著

夜の稽古の帰りに本屋に立ち寄って、ジャケ買い(サイバラ氏のツッコミイラストにやられた)だったのだけどあまりにおもしろくて、帰りのバスの中→家で夕ごはんの後にイッキ読みしてしまった。 出たばかりの本なので引用紹介はしない形で感想を書きます。女…

禅と茶道(禅と日本文化 鈴木大拙 著/第六章)

「禅の予備知識(第一章)、禅と美術(第二章)」、「禅と武士(第三章)」、「禅と剣道(第四章)」「禅と儒教(第五章)」に続いて、これが最終章。 もともとの本は最後に第七章として「禅と俳句」という章があるようなのだけど、この対訳本は六章までの構…

五木寛之(いつきひろゆき・HIROYUKI ITSUKI)

タイトルからして「気」にフォーカスした本を書いているんだなぁと思ってなにげに手にとって読み始めて以来、「あこがれのおじさま」となり、以後なんとなくエッセイを続けて読むようになりました。小説は読んだことがありません。 親鸞上人の教えがたくさん…

うわさの神仏 日本闇世界めぐり 加門七海 著

笑えるエッセイでした。前に読んだことのある「怪談徒然草」「心霊づきあい」よりもギャグ満載。しっかりした知識背景と昭和センスがないと出てこないノリのボケばかり。 前編は神仏の基礎知識を楽しく学べます。後半は神仏探訪記なのですが、とくに神社が興…