うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

(再読)夏物語 川上未映子 著

 再読しました。この本は読むといろんなことを誰かと話したくなります。でもだいたいは話せないことばかり。話す相手も慎重に選ばなければいけません。そんなときは自分の思いを整理して書いてみる。
今日の内容はこの本を読んでいないとちょっとわからない話に見えるかもしれないけれど、項目立てて書きます。まだ発売されて数か月の小説なので、話のゴールへの感想ではなく、要素に触れながら書きます。

 

▼一回目の感想

 

一度目の読書ではこの先どうなるのかが気になって途中から読むのが速くなってしまって、次々投入される「ある、こういうことわたしもあった…」という古傷のうずきに感覚を奪われながらのジェットコースターのような読書でした。
あらためて読むといくつかのことは予告のようにほのめかされていて、二度目の読書ではそれぞれの生活の背景やちょっと特異な行動・選択の理由も併せて味わうことができました。それぞれの事情が見えてきた。

 

先日この本を読んだ友人と話したら彼女は主人公の元カレが気になったそうで、やはり読む人によって引き出される記憶が分かれる。友人は「恋愛感情と関係性」に、わたしは「労働と居場所と役割分担」の描かれかたに多く関心が向いていたけれど、やっぱりすべてのことはごちゃまぜ。
今日はこの小説が拾い上げてくれた「それ!そこ!かねてより生活テーマとして誰かの話が聞きたかったの!」という要素について書きます。

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